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病院食はまずい・美味しい?痩せるって本当?管理栄養士が実態を暴露!

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病院食といえば味が薄くてまずいという印象を抱く方もいるのではないでしょうか。その一方で、病院食は美味しいという話や、カロリー制限されていて痩せるといった好意的な声も聞きます。
そこで今回は、病院でも活躍している管理栄養士が実際の献立について徹底的に解説します!

病院食の種類

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病院食は患者さんに提供する食事の総称であり、ひと口に病院食と言っても患者さんの症状や体質によって種類はさまざまです。まず、「一般食」「特別治療食」の2種類に分けられます。

一般食とは、特別な制限がない食事のことです。栄養素の増減による調整を必要としないので、日常的な献立と同じ観点から作られます。一般食はさらに常食・軟食・流動食の3つに分かれており、嚥下機能や消化吸収力などによって調理方法を決めます。ちなみに常食が最も健康に近い方への食事になりますが、ベッドで過ごす時間の長さや運動量(リハビリ量など)、年齢に応じてカロリーを調節するなど、やはり健康な人以上に配慮する必要があるのです。

約120種類もある特別治療食

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一般食と違い、特別治療食はさまざまな制限があります。患者さんの状態に合わせて糖質を減らしたり、鉄を増やしたりと、一般食よりも高度な配慮と専門性が必要です。特別治療食は単なる病院食ではなく、食事療法にあたります。そのため、医師の指示を仰ぎながら慎重に献立作成をしているのです。

管理栄養士が作る特別治療食は約120種類!

患者さんの疾患や体質に合わせた病院食を提供するためには、これだけの種類が必要だということです。たんぱく質やカリウム、脂質などの栄養素をコントロールすることはもちろん、アレルギーや治療内容によっては食材の考慮もしなければいけません。

たとえば以下のような食種があります。

エネルギーコントロール食:
800~2,000kcalの間で7段階に分かれる。糖尿病や肥満、脂質異常症の患者さんに向けたエネルギー制限食。

低残渣食(ていざんさしょく):
消化管への負担を避けるため、食物繊維を減らした病院食。消化管に疾患のある患者さんや、消化管を手術した後の患者さんに提供。

化学療法食:
化学療法の副作用で食欲低下、味覚の変化、悪心(吐き気)などが引き起こされた場合に提供する病院食。少しでも食事に対する満足感を得てもらうため、多様な工夫を凝らしている。

病院にはさまざまな疾患や体質の患者さんが入院しています。一人ひとりの状態に合わせて最適な病院食を提供することが早期回復や進行の抑制などに繋がるため、病院食の献立作成は食と健康のエキスパートである管理栄養士でなければできません。医師や看護師と同様、命と直結するのが管理栄養士の仕事なのです。

気になる病院食の実態

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病院食にはさまざまな種類があり、それぞれの患者さんに向けて多様な工夫が凝らされていることは分かりました。ですが、実際のところ味はどうなのでしょうか。病院食は本当にまずいのか、それとも種類によっては美味しいのか……。

また、しっかり栄養管理された病院食だからこそ、痩せるかどうかのダイエット効果も気になると思います。外の世界からでは見えづらいその実態を詳しく見ていきましょう。

病院食はまずい?美味しい?

結論から述べましょう。病院食は美味しいです!

もちろん味覚には個人差があるので美味しいと感じるかどうかはその人によりますが、大多数の患者さんは美味しいと喜んでくださいます。

どれだけ栄養価が高くても、味が良くなければ食べる気はあまりしませんよね。ただ栄養管理をするだけなら、極端な話、点滴や薬で事足ります。ですが、それでは食事療法としての効果が十分に見込めません。よく噛んで食事をすること自体が健康に繋がります。また、美味しいものを食べることが心のケアにもなります。ですから、美味しい献立を作ることは非常に大切なのです。

もちろん、場合によっては好みの味付けではない病院食もあるかもしれません。しかし、患者さんの食事内容や食べた量は毎回きちんと記録されています。過去の食事記録や患者さんの感想をもとに献立の改善を随時行っているので、常にまずいということはないはずです。

ちなみに産婦人科の病院食はホテル並みのところも多く、病院食が入院先の決め手になるほどの盛り上がりを見せています。管理栄養士のたゆまぬ努力によって、病院食のクオリティは非常に高くなっているのです。

関連:産婦人科で活躍する管理栄養士 母子の健康を支える食事・栄養管理

病院食は痩せる?太る?

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続いて、病院食で痩せることはあるのか、反対に太ることはあるのかについてご説明していきます。こちらも結論から述べますが、正直に言えばどちらも十分に有り得ます。痩せるか太るかを左右するのは入院前の生活と入院時の体の状態です。

入院前に不摂生な生活をしていた方は、徹底した管理がされている病院食のみの生活になるため、自然と痩せるでしょう。肥満の方も同様です。カロリー計算はもとより、エネルギー量や脂質の量もしっかり計算されたコントロール食が提供されるので、痩せやすい環境と言えます。

一方で入院前の食事量が少ない方や痩せ気味の方は、健康体に近づくために体重管理の一つとして病院食も配慮されます。この場合は、太るというよりも体重が増加するという言い方の方が正しいかもしれません。

いずれにせよ、病院食は管理栄養士の知見や医師の指示にもとづいて厳格に管理されているので、病院食によって健康から遠ざかるということはないでしょう。健康こそが美容への近道です。出された病院食をしっかり食べることによって、健康だけでなく美容についても良い影響が得られます。

ダイエット入院ってなに?

近年では「ダイエット入院」なるものをサービスとして提供する病院も増えてきました。
自分ではなかなか管理が難しい方や肥満による生活習慣病の危険性がある方にはおすすめです。

ダイエット外来に通う選択肢もありますが、何度も自身で痩せようと試みても三日坊主で心が折れてしまう方もいるでしょう。
その場合は一定期間ダイエット入院をすることで、食事についての正しい知識や、着実に痩せるための生活リズムを身につけることができます
一度習慣づけてしまえば、その後は自分自身の管理で無理なくダイエットを続けることができるようになると思いますよ。

病院食は管理栄養士の心配り

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病院食は多くの方にとって馴染みのないものです。そのため、学校の給食などと同じようなものと考えている方もいらっしゃると思います。

ですが、病院食は学校給食以上にさまざまな場面で配慮を必要とするものです。また、学校給食のように一つの献立を同じように作れば良いというわけではありません。全員の食事を一律化することができないため、患者さん一人ひとりに合わせた献立や調理方法を採っています。それも一時的ではなく日常的にです。

仕事とはいえ、なかなかこれほどまでの配慮ができる人はいないでしょう。管理栄養士が持つ知識と専門性があってのことです。それだけではありません。一人ひとりへの心配りがあるからこそ、適切な病院食を提供できるのです。つまり、病院食とは患者さんに対する思いやりの表れでもあります。

管理栄養士は国家資格でありながら、他の職種に比べて注目されにくい存在です。しかし、いなければならない必要な存在でもあります。そんな縁の下の力持ちである管理栄養士の活躍の場を提供するのがえいようJoinの務めです。個人の方からのお仕事も受け付けているので、食や健康に関することでお悩みの方はぜひえいようJoinの管理栄養士にご依頼ください。

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