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危険なのにまだ続けるの? 本当は危ない糖質制限ダイエットの秘密!

数年前からダイエットの主流にもなっている糖質制限ダイエット。本当に安全に効果が得られるものかどうか疑問を持ちながらも、「流行っているから」という理由でなんとなく行っている人も多いのではないでしょうか?実は、過度な糖質制限には大きな危険が潜んでいます。糖質制限で身体を壊す前に、今回は糖質を適切に摂取しながら無理なく行えるダイエット法をご紹介します。

糖質制限は本当にダイエットに良いの?

近年では、ダイエットと言えば「糖質制限」とすぐに思い浮かぶほど、糖質制限ダイエットが広く知られ、多くの人が生活に取り入れています。

「糖質を制限したら痩せるらしい」「糖質は身体に悪そう」

そんなイメージから、なんとなくごはんやパンなどの主食を抜いていませんか?結果が出ないので摂取する糖質の量をどんどん減らしている、糖質制限ダイエットをはじめてから身体の不調を感じる……そんな悩みを抱えていたら注意が必要です。

そもそも、糖質制限は本当にダイエットに効果があるのでしょうか?

本来身体の主要なエネルギーはごはんやパン・麺などの炭水化物から得られます。炭水化物は消化の過程において、体内に吸収されエネルギーになる糖質と吸収されずに排出される食物繊維に分けられます。糖質制限ダイエットでは、この主なエネルギー源である炭水化物そのものの摂取を控え、代わりとしてたんぱく質や脂質からエネルギーを摂取します。

厳しく制限をかける人だと、野菜や果物に含まれる糖質まで制限することも。

年齢や基礎代謝・身体活動量により個人差はありますが、成人女性が1日に必要なエネルギー量は約2,000kcalと言われています。適正量のエネルギーを摂取できないと、疲れを感じやすくなったり心身の不調を感じたりと、生活に支障をきたしてしまいます。

そのため糖質ダイエット中もエネルギーは適正量摂取しなければならず、糖質を控えることによって足りなくなる分はたんぱく質や脂質から補う必要があります。

各種栄養素をバランスよく摂取するための指標の1つに、「PFC比率」(エネルギー産生栄養素バランス)というものがありますが、3大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)のそれぞれの目標割合は以下の通りとなっています。

P:たんぱく質 …13~20%          

F:脂質    …20~30%          

C:炭水化物  …50~65%

これは食事全体のエネルギーの5割〜6割程度を、炭水化物から摂るのが理想だということを示しています。 そして、1日に必要なエネルギー量を約2,000kcalと仮定すると、カロリー換算で1,000〜1,300kcalは炭水化物から摂るのが望ましいと分かります。

しかし、糖質制限ではこの1,000〜1,300kcal分を、たんぱく質や脂質から摂取しなければなりません。 すると必然的に高脂肪・高たんぱくの食事に偏るため、身体へ悪影響が出る可能性があるのです。

参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)

糖質制限が身体にもたらす危険性

糖質制限によって高脂肪・高たんぱくの食事に偏ると、それを体内で燃やすためのビタミンやミネラルが不足し、代謝異常を起こしやすくなります。すると本来燃焼しなければならない脂質・たんぱく質の燃え残りが生じ、体内に過剰な脂質が蓄積、血管中に悪玉コレステロールが溜まってしまいます。それにより、動脈硬化などの血管トラブルが起きる恐れも発生します。

また、本来糖質から得なければならないエネルギーをその他の栄養素から十分に補えなかった場合、人間の身体は自分のたんぱく質を分解してエネルギーに作り変えはじめます。 それによって体内の筋肉量が減り、基礎代謝が低下します。痩せるための行動が、余計に太りやすい体質を作る原因にもなってしまうのです。

たんぱく質を過剰に摂取する生活を長く続けることで、肝臓や腎臓への負担が大きくなり、将来的に機能障害が出る可能性も否めません。肝臓は様々な栄養素の代謝を行い、アルコールの分解や解毒を行う場所でもあります。腎臓は解毒したものを尿として作り出し、排泄するなどのとても重要な働きをしています。どちらも人間の身体にとって欠かすことの出来ない存在です。

そして糖質制限により、よくみられるのが低血糖症状です。糖質を体内で分解して出来るブドウ糖を脳はエネルギー源の1つとして消費しています。そのため糖質があまりにも不足すると、頭痛や思考・判断力の低下、交感神経・副交感神経の異常による眠気、動悸、ふるえ、異常な発汗、体のだるさ、うつ傾向・無気力などの症状が出てしまうこともあります。

もし今あなたが糖質制限をしていて、これらがあまりにも続く場合には低血糖状態に陥っている可能性が考えられます。

このように、無理な糖質制限を続けることによる身体への悪影響には様々なものがあり、決して危険性を見逃すことは出来ません。理想の身体を手に入れるためにダイエットを頑張っているのに、大切な身体を壊してしまったらせっかくの努力も水の泡ですよね。今後は過剰な糖質の制限はやめて、しっかりと必要な栄養素を摂りながら健康的にダイエットを行いませんか。

糖質を抜かなくてもダイエットはできる!

では糖質を抜かずにダイエットするにはどうしたらよいのでしょうか。 ここでは健康的に痩せられる4つの方法を紹介します。

食べ合わせで太りにくい食事に

しっかりと食べながらダイエットをするのに有効な方法として、食べ合わせを考えて食品を摂取するという方法があります。

食べ合わせを考える際に使える指標のひとつに、 「GI」(グリセミック・インデックス)というものがあります。GIは“食品を摂取した後にどれだけ血糖値を上げるか”という目安で、0に近いほど血糖値を上げにくく、100に近いほど血糖値を上げやすいというものです。砂糖類、食パン、うどん、白米などの”精製された炭水化物”はGIが比較的100に近くなります。

血糖値が急上昇するような食事の仕方をすると、血糖値を元に戻そうとして「インスリン」(別名:肥満ホルモン)というホルモンが働くため、血中にある糖分を細胞内に取り込んで、脂肪として溜め込もうとします。そのため、GIを参考に食べ合わせを変えることで血糖値の上昇を緩やかにすることが、太りにくい食事への近道なのです。

GI55以下の低GI食品には、大豆製品、野菜、海藻、きのこ、果物などがあります。 肉、魚などのたんぱく質源も比較的GIが低いです。 高GI食品を摂る時でも、これらの食品を一緒に食べることで血糖値を上げにくくすることが出来ます。

また、これらの低GI食品は和食によく使われる食材でもありますよね。 昔ながらの日本の一汁三菜の食事は、健康や美容にとって欠かせないものなのです。

摂取する糖質の種類を変える

前項でGIを参考に食品の食べ合わせを考えることによって太りにくい食事にする方法をご紹介しましたが、食べ合わせだけでなく高GIの食品を低GIの食品に代替する方法も存在します。食事の際に迷ったら、以下の例のように低GI食品に替えてみてはいかがでしょうか。

例)      

<高GI食品→低GI食品>             

白米  → 雑穀米、玄米   

白パン → 全粒粉パン      

うどん → そば   

白砂糖 → はちみつ、メープルシロップ

精製された糖質が血糖値を上げやすいのは前述の通りですが、反対に雑穀や玄米、胚芽米、全粒粉、そば等精製される前の食品はGIが低いだけでなく、身体に必要なミネラルが多く含まれているので、むしろ積極的に摂りたいものです。

糖質を代謝するビタミンを補給する

糖質を摂取していても、それを体内で代謝してエネルギーとして利用することができれば 身体に定着しにくくなります。糖質の代謝を助ける栄養素には「ビタミンB1」があり、 豚肉や大豆製品、穀類などに多く含まれています。

食品だけで摂取出来ない場合は、サプリメントを補助的に取り入れるのもひとつの手立てかもしれませんね。

お菓子や清涼飲料水は控える

糖質は抜かずに食べ合わせや食品の置き換えによってうまく摂取するべきだとお伝えしてきましたが、やはり一部どうしても摂取を控えるべき糖質もあります。市販のお菓子や清涼飲料水の多くに含まれる砂糖や人工甘味料です。

甘いものが好きな方は、お菓子を食べるところを低GIのグレープフルーツ、オレンジ、もも、いちご、バナナ等の生の果物に替えてみてはいかがでしょうか。同時にビタミンやミネラルを補うことができ、かつ満足感があるので食べすぎ防止の効果もあるのでおすすめです。

自然の食品からは糖質を必要な分摂取し、加工食品であるお菓子や清涼飲料水は程々に抑える。それが健康的にダイエットを続けていく秘訣です。

まとめ

今流行りの糖質制限ダイエット。しかし、糖質制限によってむしろ太りやすい体質を作ってしまったり、内臓への負担や低血糖症状など身体の健康を壊してしまったり、さまざまな危険が潜んでいることをおわかりいただけたでしょうか。

今回は糖質を抜かずに、食べ合わせや代替品を用いるダイエット方法についてご紹介しましたが、食品の選び方を少し意識するだけで健康的なダイエットを行うことが可能です。一生付き合っていく自分の身体を大切にして、無理のないダイエットで理想の身体を手に入れましょう。